____うるさいな。母さんの声だ。ああ、今日は澪夏の家に行くんだっけ。朝から母さんの怒鳴り声を聞いて頭がジンジンしそうだ。
「いってきます」
　そういうと俺は隣の澪夏の家へ向かった。インターホンを押すと澪夏の母が出迎えてくれた。
「いらっしゃい！凪冴くん！わざわざごめんね〜。すぐ終わるからさっ、ねっ！」
　俺はこういってすぐに終わらないのを知っている。ああ、澪夏もおばさんに似てたくさん喋っていたな。なんて過去のことを思い出しながら話を聞いているとやっと本題へ入った。
「それでね、凪冴君に来てもらったのはー」
「母さんが何かを渡すって…」
「そうそう！ちょっと待ってねー。…これ！はい」