「へぇ⋯⋯ちゃんと綺麗に片付いてるのね」

模擬挙式から季節は巡り、早くもクリスマスだ。

私は今、アンポリの部屋に居る。



模擬挙式が終わってしまえば、もう連絡をとることもなくなり、また以前のように、仕事の往復で出くわした時だけ、少し話す間柄に戻ってしまう⋯⋯そう思っていた。

何故か、そのことが淋しくて⋯⋯。

アンポリに電話をかける理由を考えあぐねて日々を過ごしていたら、唐突にアンポリから電話がかかってきた。

彼もまた、何やら無理矢理、電話をかける理由を探していたのがバレバレ。

思わず吹き出してしまい、二人して、一頻り笑った。


おもむろに今、私は、ある疑問を投げ掛けてみる。

「どうして、Cynthiaが私だって判ったの?住んでいる場所に関しては、あくまで雪国としか書いてないから、北海道から山陰まで幅広いのに、なんで特定されたんだろ。顔も出してないのに」