アンポリのお姉さんである先輩と、久々に再会の挨拶をすると、いよいよ、ドレスアップである。

結婚願望ゼロの私なので、ソロ婚式でもしない限り、こうしてウェディングドレスを着る日が来るとは思わなかった。

「あらー⋯⋯南さんったら、ホントに綺麗だわ。モデルお願いしてよかった!」

先輩がそう言ってくれるので、

「こちらこそ、まさかウェディングドレスを着られるとは思わなかったので、有り難いですよ」

鏡に映る私は、自分で言うのもなんだが、満更でもない。

「あれ?そういえば、模擬挙式ということは、新郎のモデルも居るんですよね?」

そう尋ねると、先輩は可笑しそうに笑いながら、

「あら、何も聞いてなかった?」

どういうことだろう。

扉の向こうに、タキシード姿のアンポリが居たのには驚いた。

「え⋯⋯アンポリが新郎役なの!?」

「わ、悪かったな⋯⋯!」

「悪いなんて言ってないでしょ」