もう一度、君の手を握る

「智也、いったん落ち着こう。あなたが向こうの学校でどんなトラブルに巻き込まれたのかは知らないけど、私だったら……」
「……どういうことだ」
「黙ってついてきて」

 そう話すと、若林さんは振り向いて歩きだす。

「おい、ちょっと待てよ」

 俺は涙を拭く間もなく、立ち上がって彼女の後をついて歩く。
 果たしてどこへ行くのだろうか、俺は不安に駆られながらも彼女の後を追いかけた。