魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

……えーっと?
今、神様って仰いました?

私は頭を捻らずにはいられない。

「えっと。
神様っていうのは、その。
イエス・キリストのお父さん?」

「何、それ?」

きょとんと目を丸くした後、秀逸なコントでも見たかのように、愉快そうにエイイチロウが笑う。

いや、ホストクラブにはこのくらいのテンションの高さが似合っているとは思いますが。

とはいえ、目尻に浮かんだ涙を拭わなきゃいけないほど楽しいこと、私言いましたかね?

ちょっと不服。

「失礼します」

ホストがやってくる。

「エーイチローさん、ご指名ですが」

「そう、分かった。ユリア、淋しがらずに待っててね☆」

エイイチロウは涙を拭くと、ちょっとときめきそうになるくらい素敵な笑顔を私に見せて、両手でふかっと人の肩を名残惜しそうに叩いてから席を立っていった。

……抜かりないなぁ。

エイイチロウが人気ホストでいることは、私の生活にとってプラスではあるのだが。
その素敵な仕事ぶりには、目を丸くせずにはいられない。

「エイちゃぁ〜んっ」

なんて笑顔で手を振っている二人連れの女の子を、丁寧にエスコートしているその姿は、さっきまでここに入ることすら躊躇っていた私の視線をも奪っていた。