魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

「転魔、ねぇ」

エイイチロウがカランと、涼しい音を立てながらウイスキーのロックを一口飲んだ。

「読んで字の如く。そのままの意味なんだけど」

……だから、どんな漢字か分からないっつーのっ。
私は頭を抱える。

エイイチロウがくすりと笑う。
その瞳には、どこか悪魔っぽい悪戯心が見え隠れした。

「魔界に転ずるってことさ」

「魔界の住人になる……ってこと?」

「まぁ、住まなくてもいいんだけど。
似たようなものかな?
人間が悪魔になるってこと」

いやいやいや。
そう、何のためらいもなくサラっと言われても困りますよ?

性転換手術ですら、そこまでさらりとは踏み切れない気がするんですけど、私。

「どうしてそのリミットが二十歳なの?」

「それは、僕が決めたわけじゃないからね」

「誰が決めたの?」

私の質問に、エイイチロウは目を丸くする。
そして、その直後に吹き出した。

「そりゃ、世の中のルールは全て、神様が決めているに決まってるじゃん。
ユリアって、本当に世間知らずだなぁ」