「やっぱり営業妨害じゃん」
遅ればせながら隣でぼやいているのが、ジュノ改め現在ホストのエイイチロウ。
「大丈夫よ。
どうしても必要なら、私、今夜はパパのお金引き出してきたからエイイチロウのお客様になってあげる」
いくらなんでも、キョウから預かっている生活費をここで使うなんていう不毛な真似をするつもりはない。
「えー、そういう同情票って不必要なんだけど」
エイイチロウは肩を竦めてみせる。
でも、そのすぐ次の瞬間。
チャンネルを切り替えたかのように、その唇に可愛らしい笑顔を乗せて私の耳に唇を寄せた。
「それに、初回のお客様は一律5,250円だからさ。
お金のことは気にしないで遊んでいきなよ、ユリア」
そういえば、オンとオフは切り替えるタイプだったっけ。
人気絶頂のアイドルを思わせるキラキラした瞳が、魅惑的に私を捉えて放さない。
その姿からは、キョウに傅(かしず)くジュノは、もはや想像できない。
ここは彼の独擅場なのだ。
そのせいか。
ステージからファンに伸ばすような感じで、差し伸べられた手を握るときに、私は少しだけ罪悪感を感じずにはいられなかった。
遅ればせながら隣でぼやいているのが、ジュノ改め現在ホストのエイイチロウ。
「大丈夫よ。
どうしても必要なら、私、今夜はパパのお金引き出してきたからエイイチロウのお客様になってあげる」
いくらなんでも、キョウから預かっている生活費をここで使うなんていう不毛な真似をするつもりはない。
「えー、そういう同情票って不必要なんだけど」
エイイチロウは肩を竦めてみせる。
でも、そのすぐ次の瞬間。
チャンネルを切り替えたかのように、その唇に可愛らしい笑顔を乗せて私の耳に唇を寄せた。
「それに、初回のお客様は一律5,250円だからさ。
お金のことは気にしないで遊んでいきなよ、ユリア」
そういえば、オンとオフは切り替えるタイプだったっけ。
人気絶頂のアイドルを思わせるキラキラした瞳が、魅惑的に私を捉えて放さない。
その姿からは、キョウに傅(かしず)くジュノは、もはや想像できない。
ここは彼の独擅場なのだ。
そのせいか。
ステージからファンに伸ばすような感じで、差し伸べられた手を握るときに、私は少しだけ罪悪感を感じずにはいられなかった。


