神様が厳粛な顔で、有名な楽団を引き連れる凄腕の指揮者のように丁寧に一度だけ上から下に手を振った。

ピカリ、と。
稲光でも落ちたような、強い光がジャックを包む。

否。

稲光というより、もっと鮮烈で。
そして神々しい光だった。

私は思わず瞳を閉じる。
本当に神々しいものって、直視さえ許されないのだと身を持って知った。


どれほど時間が経過したのだろう。

「じゃあ、いい加減帰るね」

待ちくたびれて拗ねてしまった恋人が呟くような軽口が、神様の声で聞こえてきた。

「まるで人が呼びつけて帰らせなかった、みたいに言うのはやめていただけませんか?」

キョウの声だ。
丁寧ではあるが、敬意は感じられない。

そういえば、神様って勝手に来たよね?

私は恐る恐る瞳を開く。
張り詰めた緊張感は、ほどよくほどけていた。

にやり、と、神様がその唇を意地悪く歪めた。

「クリスマスのプレゼントだよ。
お前が人間界にあまりにも馴染んでいるから――
たまにはこんなのも粋だろ?」

じゃ、と呟くと、空気に溶けるかのように唐突に神様が消えていった。


跡形も無く。