魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

キョウは勝者の瞳で私を見下ろし、

「指がふやけちゃうね」だの
「折角の素敵なシーツが台無しだね」だの

その他、ここではちょっと紹介できないような卑猥な言葉を次々と囁いて、時折得意げな笑いまで浮かべる始末。

でも。
もう、私は腹を立てることさえ出来ないほど、身体の芯から溶けきっていた。

ただ、右手で触れられているだけなのに。
何度も何度ものぼりつめて。
頭の奥まで蜜になって、全部零れ落ちてるんじゃないかと錯覚しちゃいそう。

「ほぉらもう、悪戯なんて出来ないでしょう?」

耳に注がれるのは蜜言ではなく、催眠術の言葉なのかもしれない。
下から聞こえるのは、擬音化したくないほど濡れた音。

私、魔術にでもかかってるのかもしれない。
そうよ、相手は魔王様だもの。

うん。
全ての悩みも、全部全部蕩けきって、無くなっちゃったのかもしれない。

だって。
さっきまでぐだぐだ悩んでいたはずなのに。
もうそんなことどうでもよくって。

キョウの背中に抱きついて、ただ、翻弄されているばかり。

「抱いてって言って?」

低い声が脳に響く。

催眠術だから。
あるいは、魔術だから。

もう、逆らうことなんてできやしない。