魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

ゆっくりした仕草で、服の下に手を入れていく。

「聞かないの?」

首筋に這う舌のくすぐったさに悶えながら、口を開く。
そのまま、耳たぶを吸って囁いてくる。

「別に?
ユリアが言いたいことなんて分かってるし」

艶やかな声さえも、ぞくりと背中を振るわせた。

……え、考えていることも読めるの?

器用に服を脱がせた後、その紅い唇が妖艶に笑う。

「抱いて」

「……え?」

「ユリアは俺に、抱いてって言いたいけど言い出せないんだよね。
分かるよ、照れ屋だもん」

あの。
俺は何でも知っているぞ、的な。
満足な笑みを浮かべてものすっごーく的外れなこと言うのは止めていただけますか?

「あぁんっ」

何か言おうと口を開くのに、出てくるのは吐息交じりの甘い声ばかり。
言葉にだってなってない。

指と舌だけで、人の身体を溶かしていく天才なんだから。
この悪魔は。

「だから、身体に聞いてあげる」

俺って優しいでしょう、と。
その少しずつ茶色を帯びてきた瞳が、語っている。