キラン、と。
黒曜石の瞳が一瞬、ゴールドの色を発する。
そうして、テーブル越しにキョウの手が私に伸びる。
形の良い瞳を細め、心のうちを探るように見つめてくる。
その指先が、顎から耳へと擽るような優しさで移動していく。
「浮気なんて、してないもんっ」
「そうだね。
ユリアはすっかり俺のことなんて忘れちゃってたから、浮気とは言い難いよね。
別に、いいよ?
そんなこと、ぐだぐだいうような心の狭い男じゃないし」
えーっと、キョウ様?
あなたのその目は口ほどにモノを言ってますが。
ねぇ、その目!
ぐだぐだぐだぐだ言ってますよ。
耳まで這い上がったその細い指は、ゆっくりと唇に触れ、今度は私の頭を抱き寄せた。
「キョ……」
言葉を発する前に、テーブル越しに彼は私を抱き寄せ、唇を重ねる。
「ちょっとっ」
「静かにしていたほうがいいよ。
このドア、別に防音ってわけじゃないし、鍵もかかってないし」
テノールの声が、強気に響く。
ああ、駄目だ。
スイッチが入っちゃってる。
私は必死に言葉を捜す。
「分かった。
ね、久しぶりだから声を出せないのは困るわ。
私、我慢できないもんっ。
続きはうちに帰ってから、ね?」
……自分で言って赤面するような台詞を、いつからさらりと吐けるようになったのかしら。
怖ろしい。
黒曜石の瞳が一瞬、ゴールドの色を発する。
そうして、テーブル越しにキョウの手が私に伸びる。
形の良い瞳を細め、心のうちを探るように見つめてくる。
その指先が、顎から耳へと擽るような優しさで移動していく。
「浮気なんて、してないもんっ」
「そうだね。
ユリアはすっかり俺のことなんて忘れちゃってたから、浮気とは言い難いよね。
別に、いいよ?
そんなこと、ぐだぐだいうような心の狭い男じゃないし」
えーっと、キョウ様?
あなたのその目は口ほどにモノを言ってますが。
ねぇ、その目!
ぐだぐだぐだぐだ言ってますよ。
耳まで這い上がったその細い指は、ゆっくりと唇に触れ、今度は私の頭を抱き寄せた。
「キョ……」
言葉を発する前に、テーブル越しに彼は私を抱き寄せ、唇を重ねる。
「ちょっとっ」
「静かにしていたほうがいいよ。
このドア、別に防音ってわけじゃないし、鍵もかかってないし」
テノールの声が、強気に響く。
ああ、駄目だ。
スイッチが入っちゃってる。
私は必死に言葉を捜す。
「分かった。
ね、久しぶりだから声を出せないのは困るわ。
私、我慢できないもんっ。
続きはうちに帰ってから、ね?」
……自分で言って赤面するような台詞を、いつからさらりと吐けるようになったのかしら。
怖ろしい。


