魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

強引にベッドの上で身体を起こす。
折角のスーツがしわくちゃになっちゃうじゃない、もう。

キョウは寝そべったままに私を見上げた。

ズキュン。

その、三白眼を強調するような上目遣いに、心臓がいとも簡単に射抜かれていく。
金魚すくいの網並みに簡単に穴が開いてしまっちゃってます、私のハート。

写真集出したら確実にミリオンセラーだわよ、この魔王様ってば。

あ、でも。
悪魔って写真に写るのかしら?
どうなのかしら?

「こんなことなら、泣いているときに襲えば良かった」

ベッドから立ち上がって、姿見でスーツの皺をチェックしている私にそんな言葉を投げてくる。

「あぁら。
人を襲ったりしないのが、下級悪魔との違いじゃありませんこと?
魔王様」

とりあえず、酷い皺がついてないことが確認できた私は、にこりと笑って言葉を返す。

……そ、それにしても。
  こいつは本当、礼服のような黒いスーツがよく似合う。

そのベッドから身体を起こすという、日常的な動作に見惚れている間にキョウは私の傍に来てくしゃりと頭を撫でた。

「ユリアが元気になってくれたなら、それでいい」