魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

誰にでも、一つや二つ特技ってのはあると思うの。

例えば、どんなに前の夜おなか一杯食べても、翌朝またこってりした天ぷらでも食べれるっていう大食いの人とか。
どれだけ朝急いでいても、完璧なメイクだけは出来るというビフォア・アフターで別人顔になれる女の人とか。
そういえば、いつ、いかなる時だってほろりと涙が流せる、なんて得意げに話しているクラスメイトも居たわ。

だけどね。

いつ、いかなるときでも人をベッドに連れて行く技だけはパーフェクトって。

それ、誇れます?


零れる吐息さえも媚薬に変えてしまう。
その指先だけで、私の声の色まで変える。

それに翻弄されている間に、気づけばベッドの上に、居た。

「……まだ、クリスマスじゃないわよ?」

なんとか正気を取り戻して、人のボタンを簡単に外そうとしているキョウの指を掴み声を絞り出す。

「おや?」

と。
まるで初めてそのことを思い出したかのように、芝居がかった仕草でキョウが黒い瞳を丸くした。