「後5日でしょう?
どちらでも、俺は構わない」
私の心に根を張りそうになるコールタールを一瞬で綺麗にしてしまうような、素敵な声音が耳に入る。
「じゃあ、問題ないですね」
そういうと、ジャックがすぅと、儚い笑みを浮かべた。
それは、今にも消えてしまいそうなほど薄い。
だけど、幸せそうな、笑み。
そう。それは、幸せを形にしたような笑みにも見えた。
脆くて、儚い。
「キョウさん、今までどうもありがとうございました。
心底、感謝してます。
ユリアちゃん、本当のことが言えなくてごめんね。
どうして僕がユリアちゃんの裸姿で驚かないかっていうのは、記憶が戻れば定かになるよ。
だから、当然僕たちには何の関係もない。
あ、でも、僕はユリアちゃんのこと……」
言葉を喋る端から、まるでそれがCG(コンピュータ・グラフィック)だったかのように、風に流れて消えていく。
嘘でしょう?
人が。
人じゃないかもしれないけど、吸血鬼が。
まるで、風に浚われた砂の城の様に右の端から徐々に消えていく。
そして。
最後の言葉を言い終えることもなく、ジャックは部屋の中から消えてしまった。
風に乗って。
灰のように、塵のように、砂のように。
音もなく、崩れ去って、そして。
消えてしまった。
どちらでも、俺は構わない」
私の心に根を張りそうになるコールタールを一瞬で綺麗にしてしまうような、素敵な声音が耳に入る。
「じゃあ、問題ないですね」
そういうと、ジャックがすぅと、儚い笑みを浮かべた。
それは、今にも消えてしまいそうなほど薄い。
だけど、幸せそうな、笑み。
そう。それは、幸せを形にしたような笑みにも見えた。
脆くて、儚い。
「キョウさん、今までどうもありがとうございました。
心底、感謝してます。
ユリアちゃん、本当のことが言えなくてごめんね。
どうして僕がユリアちゃんの裸姿で驚かないかっていうのは、記憶が戻れば定かになるよ。
だから、当然僕たちには何の関係もない。
あ、でも、僕はユリアちゃんのこと……」
言葉を喋る端から、まるでそれがCG(コンピュータ・グラフィック)だったかのように、風に流れて消えていく。
嘘でしょう?
人が。
人じゃないかもしれないけど、吸血鬼が。
まるで、風に浚われた砂の城の様に右の端から徐々に消えていく。
そして。
最後の言葉を言い終えることもなく、ジャックは部屋の中から消えてしまった。
風に乗って。
灰のように、塵のように、砂のように。
音もなく、崩れ去って、そして。
消えてしまった。


