家に帰ると、ソファでジャックが惰眠を貪っていた。

その雰囲気がまるで猫で、私は思わず頬が緩む。

だけど。
本当に気になるのは、そのジャックの上に毛布が掛けてあることだ。

……誰が掛けたのか。

気にしてはいけないのに、気になって。
そうしてまた、激しい頭痛に顔をゆがめるはめになる。

思い出せないのは諦めるけど、そのたびに頭痛が起きるこのシステム、ちょっとどうにか改善して欲しいんですけど?

私は脳裏に浮かぶ、見目麗しい神様に少しだけ祈らずにはいられなかった。

でないと、クリスマスまでにこっちの頭が壊れてしまう。
本当に、もう!


「あ、ユリアちゃん」

コーヒーの香りで、ジャックがゆっくり身体を起こした。

「おはよう。
ねぇ、コーヒー飲む?」

「ありがとう」

ジャックがダイニングの椅子に座る。

ズキン、と。
何故か身体の奥が熱くなる。

なんていうか、身体をバスローブで隠して逃げ出したいような欲求に突き動かされたのだ。
……変なの、私、服着てるのに?

ジャックとダイニングの椅子とに、一体何の関係が?

だけど。
それ以上の記憶は探れない。
ただ、一面の白い世界があるだけだ。