魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

「キョウさん、そうして下さい」

聞き覚えのある声が入り口付近から聞こえてきて、私は思わずそちらに目をやった。

「ユリアちゃん、久しぶり」

まるでどこぞの国の皇太子ででもあるかのような、柔らかい金髪に整った顔を持つ青年が、淋しさを湛えた瞳で緩やかに微笑んで見せた。

「久しぶり、ジャック」

ジャックだ。
かちり、と。
パズルの1ピースを見つけたかのように、私にはそのことが分かる。

信じられないと思うけど、彼は吸血鬼と猫との混血なの。
で、今は吸血鬼として過ごしているんだ。

クリスマスイブまでしか生きられないから。


そこまですらすらと思い出してから。
私は自分の頭の中に「空白」があることに思い当たった。


誰が、私に、ジャックのことを吸血鬼だと教えてくれたのか?


でも。
それを考えようとする瞬間、黒いもやが頭を覆い、割れそうな頭痛がぶり返す。

諦めて、再びジャックに目をやった。