魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

「早乙女さん、救急車で連れてこられたときも変なことを言ってたのよ」

救急車。
一人暮らしをしていた私が、強盗に刺されて慌てて救急車を呼んだ……?

まるで、他人事のようにしか聞こえない。

陳腐なドラマのワンシーンか、あるいは。
お昼のワイドショーで見るようなニュースだ。

「パパとママは?」

「ラスベガスに旅行中みたい。
明日、帰国予定なんだって」

だから、笑麗奈が来てくれたんだ。

私はにっこり笑ってみせた。

「とりあえず、もう、大丈夫だから。
ごめんね、笑麗奈」

笑麗奈が相好を崩す。

「何言ってるの、百合亜。友達じゃないっ」

ふわりと心が温かくなった。

「だけど、遅いから帰ったほうがいいわね」

女医の言葉に促され、笑麗奈が病室を後にする。
本当、笑麗奈って背が高いわー。


背が、高い。

何故かそう考えた瞬間に、また、前頭葉がずきりと痛んだ。