魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

でも、今はそんなこと考えている場合じゃなかった。

食事を終えた私は未練を断ち切るように首を横に振る。

「綾香の伯父に、何をするの?」

ゆったりとした仕草でコーヒーを飲んでいたキョウが、視線を動かして私を捉えた。

途端、その黒い瞳が企みの色を帯びる。

「良い事☆」

優雅にコーヒーカップをソーサに置いてから、イケナイ感じの笑みを口許に浮かべる。

「私に手伝えること、何かある?」

「あんなに怖い思いしたのに、まだ懲りてないの?」

困った子だね、と。
その瞳に心配そうな色が宿る。

「懲りてないわけじゃないけど。
乗りかかった船から飛び降りられない性格なの」

「突き落とそうか?」

案外真面目な目で言うのは止めて欲しいんですけど……。

「どっちみち、あんな変人とユリアを遭遇させるわけにはいかないからね」

お!
スペシャル級の変人が、随分前から私の目の前に居ますけど。


私の表情で考えていることを読み取ったのか。キョウは肩を竦めた。

「アヤカの記憶から、昨夜のことは消したから。
もうそのことには触れないで」

ズルイ。
そんな綺麗な顔で懇願されたら、私。
何も言えなくなってしまうじゃない。