魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

シャワーを浴びて、身支度を整えた頃には、もう、時計は11時を過ぎていた。

用意されたブランチを頬張る。
お砂糖多めのフレンチトーストに、トマトサラダ。
揚げたてのフライドポテトと、絞りたてのオレンジジュースが並んでいる。

もちろん、コーヒーメイカーからは、眠気を覚ます良い香りが漂っていた。

「キョウっていつから料理好きなの?」

熱々のフライドポテトに息を吹きかけてから、問う。

「半年前」

キョウの口許が微笑みで彩られる。

「うっそ。なんていうか、プロ並だよ?」

「愛情がたっぷり入っているからね」

得意げに冗談交じりに言っているその言葉は、ちょっとスルー。
でないと、「ついでに俺の×××も入れてあげようか?」なんて、平気な顔して言い出しそうなんだもん。

私がファーストフード店でハンバーガーを頼むとき、絶対セットでポテトとコーラを頼むのと同じくらいに、彼の愛情はいつもちょっとイケナイ妄想とセットでついてくるのだ。



……じゃあ。

その前のマドンナ・リリーの生まれ変わりは皆、自分で料理を作っていたのだろうか。

「っていうか、私。
指輪つけないんだったら、料理できるよ?」

別に指輪をつけていたって、毎日ハンバーグを作るわけでも無いし。

「指輪?
今夜には返してあげるから、そう拗ねないで」

「そういう意味じゃないけど」

なんとなく。
料理も作ってあげないリリーは私だけってことになると、肩身が狭い。