「……そんなに、好きなの?」
次に耳に入ったのは、切なさのこもった声だった。
私は、恐る恐る瞳を開ける。
もう少しで金色に変わろうかとしていた瞳は、いつもの凪いだ海のような黒い瞳に戻っていた。
心の奥で、そっと安心のため息を吐く。
「そんなに、好きって?」
私は首を傾げずにはいられない。
悪魔の独占欲の半端なさに、恐れおののくと言い換えてもいい。
「でも、ユリアの手には負えないと思うよ」
「そんなこと、ないわよ。
私、頑張る」
ふぅん、と、キョウが形の良い瞳をすっと眇めた。
あ、何か良からぬことを企んでいる瞳だ。
「じゃあ、クリスマスまでユリアがきちんとそれを育てられたらユリアの勝ち。
途中でギブアップしたら、俺の勝ちね」
「えっと、何を賭けるの?」
安易に頷いてはイケマセン。
私は少しは大人になった、はずだ。
「当然、クリスマスの過ごし方だよ。
俺が勝ったら俺の思うがままに。
ユリアが勝ったら、ユリアの思うがままに」
そ、そんなにクリスマス特集気に入りましたか?
こんなことなら私も傍でテレビを見て、『日本人ってフツーはこんなんじゃないよねー』と茶々入れとけば良かったわ。
かなり反省。
マスコミに踊らされるのは人間だけじゃないって、今後は肝に銘じておく必要があるようね。
次に耳に入ったのは、切なさのこもった声だった。
私は、恐る恐る瞳を開ける。
もう少しで金色に変わろうかとしていた瞳は、いつもの凪いだ海のような黒い瞳に戻っていた。
心の奥で、そっと安心のため息を吐く。
「そんなに、好きって?」
私は首を傾げずにはいられない。
悪魔の独占欲の半端なさに、恐れおののくと言い換えてもいい。
「でも、ユリアの手には負えないと思うよ」
「そんなこと、ないわよ。
私、頑張る」
ふぅん、と、キョウが形の良い瞳をすっと眇めた。
あ、何か良からぬことを企んでいる瞳だ。
「じゃあ、クリスマスまでユリアがきちんとそれを育てられたらユリアの勝ち。
途中でギブアップしたら、俺の勝ちね」
「えっと、何を賭けるの?」
安易に頷いてはイケマセン。
私は少しは大人になった、はずだ。
「当然、クリスマスの過ごし方だよ。
俺が勝ったら俺の思うがままに。
ユリアが勝ったら、ユリアの思うがままに」
そ、そんなにクリスマス特集気に入りましたか?
こんなことなら私も傍でテレビを見て、『日本人ってフツーはこんなんじゃないよねー』と茶々入れとけば良かったわ。
かなり反省。
マスコミに踊らされるのは人間だけじゃないって、今後は肝に銘じておく必要があるようね。


