魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

髪を乾かして、ルームウェアを着た私に、キョウは卵酒を作ってくれた。
沸騰させないように神経を遣って作ったそれは、アルコールが綺麗に飛んでいて、卵がまったりし、甘さが効いていてとても美味しかった。

「他に、何か食べれるものはない?」

「ううん、なんか泣きすぎて頭が痛い」

時計はまだ、夜の8時を回ったところだ。
いつもだったら、寝る時間には程遠い。

「ユリア、おいで」

伸ばされた手を握って着いた行き先は、ベッドルームだった。

「そんなに警戒しないで。
ほら、手錠も縄もリボンも持ってないから、おいで」

……その3つ、わざわざセットで口にしたくなるくらいお気に入り?
なぁんて、ちらっと思ったけど、口にする気にはならず、私は素直にベッドに横になる。

キョウはペットを可愛がるようにそっと私の頭を撫でる。


「転魔の話、ジュノから聞いた?」

私はこくりと頷いた。

「ユリアはまだ、16年しか生きてない。
もっと今を楽しんで欲しいって、俺が願うことがそんなに辛い?」

「でもっ」

キョウは、すうと瞳を細め、ため息を吐いた。

「俺の千年間をユリアが背負うことはない」

「!」

私は言葉を失って、キョウの顔をまじまじと見た。