魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

「いつか別れる日が来たら、キョウは私の記憶、消しちゃうの?」

考えただけで怖くて。
想像しただけで涙が溢れる。

キョウは困った顔で私を見た。
強引に手を伸ばして、狭い浴槽の中で、私の身体を彼の膝の上へと抱き上げる。

「別れる日なんて来ないよ。
ユリアがそれを望まない限り、俺はずっと傍に居る」

「でもっ」

「記憶を消すなと言われれば、絶対に記憶は消さない」

「だけどっ……出来るんでしょう?」

ある日突然、全てが空白になるかもしれないなんて。
耐えられない。

「出来る。でも、しない。
約束する」

だから泣かないで、と。
言わんばかりにキョウがぎゅうと私の身体を抱きしめた。

「でも、私がおばあちゃんになっても、キョウは今の姿のままなんでしょう?」

すう、と。
キョウの表情が曇った。

「どうして今すぐそんな先のことを考える?」