魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

「ここで?」

「別に、あいつらの目の前でもいいけど」

いやいや、そういうことを言ってるんじゃなくって、ねぇ。
でも、キョウは私の近くに顔を寄せたまま微動だにしない。

うーん。
もしかしなくても、別の角度からみたらずっとキスしているようにしか見えなくないですか、これって?

私は瞳を閉じて背伸びした。
軽く、触れるだけのキスをする。

そうしたつもりなのに。
その刹那。

まるで待ち構えていたようにキョウは私の頭を抱き、口腔深くに舌を差し入れてくる。

……ちょ、ちょっとこれは!!

軽くもがいてみたら、空いた片手で強引に身体を抱きすくめられた。

……犯罪者ですよ、ねぇ。
  ケーサツの方、助けにきてくださーい!!

心の中で大騒ぎしながら、焦る私を気に留める様子もなく、玄関先でするのは憚れるような濃厚なキスが続く。

いい加減、長くて深くて、息苦しくて。
騒ぐことも諦めてそれを大人しく受け入れたら。

ようやく唇を解放してくれた。

「ちょっと、……キョウ!」

文句の一つも言おうとした私を、もう一度ぎゅうと抱きしめる。

「ユリアが俺を妬かせるからだ」

……わ、悪いのは私?

耳の傍で低くそう囁くと、何もなかったかのようにさっさと玄関の中へと入っていく。

いまいち彼のジェラシーポイントが掴めない私は、濡れた唇を手の甲で拭って、一呼吸置いてから玄関の扉を開いた。