気が変わらない間は生きていようかな。

 会ったら、諦められ切れないと思ったから、彩芽とは会っていない。

 けれど、心配させないように雨の降らない日に、公園に来て生きていることは伝えている。

 彩芽のことを考えると、胸が締め付けられるような気持ちになる。

 あの日の笑顔や何気ない会話が脳内で繰り返されて、忘れようといても忘れられない。

 会いたい気持ちは募るばかりだけど、会えばきっと、諦められない。

 彩芽が諦めることを望むなら、会わないことしか無かった。

 この選択が正しいことなのかは分からない。

 それでも、今はこれが精一杯俺にできることなのだと思っていたい。