「……えっ……、?」







柔らかい柔軟剤の香りがして思わず上を向いた。


あ、抱きしめられてる。


気がついたのは数十秒後。




「あー、もうバカかよ。」




私に向けられた言葉なのかな。



え?


でも、言葉が喉に詰まって何もでない。




「そんなん祈らなくても。」




その後の言葉を待った。





「俺だって、朝日のこと好きだし………。」




ボンッと顔に熱が集中するのに時間はかからなかったみたいだ。


海斗と私の顔の熱はおさまらないまま、一つ名案を思いついて私はニヤリと笑った。



「海斗。」



「ん?」



「それってどっちの朝日??」



なんで聞くんだよ、と照れ隠しの見慣れた仏頂面に思わず笑った。



「……言わなくてもわかるだろ。」