いつか、君は私の生きる意味になる。

ガタン、ゴトン。

遠ざかる電車の音が、美雨の心に重く響く。

ホームに残され、次の電車を待つ間、制服のネクタイを少し緩めた。

遅刻が確定した瞬間、体から力が抜けていくのが分かった。

もう何も感じない。何も感じたくない。

ただただ、夏の暑さと、ホームのベンチの暑さが、体とじんわりと包んでいく。

スマホを取り出して時間を確認する。

学校に着く頃のは、ちょうど1時間目が終わる頃だろう。

遅刻の理由を考えるのも億劫だった。

適当な理由を並べて、職員室の前で頭を下げて。

そんなやり取りを想像するだけでうんざりした。

隣に座っている女子高校生たちの、楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

美雨は目を閉じた。楽しそうな笑い声。それは、美雨にとって遠い世界のことのように感じた。