あなたの笑顔はこの胸に。

「じゃあ、仕事、行ってくるから。お金は机の上に置いてあるわよ。」
お母さんは夜遅くまで帰ってこない。
お金は、自分でご飯を買うためらしい。
「はい、行ってらっしゃい」
─バタンッ
お母さんが力強くドアを閉めてから、すぐに私はある部屋に向かった。
それは、両親の仏壇が置いてある部屋。
お母さんがいる時だと、「そんなことして、時間の無駄よ」って、罵られる。
流石にこの発言にはカッと来ちゃったけど、こういう人なのだと分かっているし、直しようがないからしょうがない。
「お母さん、お父さん、おはよう…!!」
ふたりの前では、素でいられる。
この時間が、一番好き。
学校の課題をやらなければならないから、自分の部屋に行く。
学校には一応行かせてもらっている。
まあ、義務だから仕方がないけど。