朝6時に目が覚めて、お母さんに挨拶をした。
「……お母さん、おはよう」
「あら、もう起きたの?出来損ないはもう少し寝ときなさいよ」
冷たい言葉をかけられるのはもう慣れてる。
私は中学2年生、柏木いと。
正直、このお母さんなんて、どうでもいい。
あちらも、私の事なんてどうでもいいだろう。
なぜなら、血が繋がっていないから。
私の血の繋がっている両親はどちらも亡くなった。
お父さんが事故で亡くなってから、ショックで体調不良になってしまったお母さんも、病死してしまった。
葬儀のとき、私を誰が養子にするか、親戚みんなで争っていた。
勿論、希望者がいなかったから。
元々、お父さんは会社を経営していて、それを受け継げるのが私の役目だった。
私が生まれてきたのは、その為。
だから、お父さんがいなくなって、役目を無くした私を引き取ってくれる人はいなかった。
両親が亡くなってから、私は"愛情"を貰ったことがないし、感じたことも無い。
愛されているという感覚も忘れてしまい、もうどうでも良くなってきた。
そんな日々だった。