自分で言うのもだけど、この学年、もっと言うと学校の中。私は結構有名で人気みたいで、毎日男子がお昼や放課後言い寄ってきて困っていた。
「えー、嬉しいけど、今日は約束があって、、、」
「そっかー、また誘うわ!」
「うん、ありがとう!ごめんね」
 正直うんざりだ。私だって友達と帰りたい日があるし、一人で帰りたい日だってある。
 でも、この日は嫌でも嘘つかないで誰かと帰ってればよかった。

 帰宅路につき、家まであと10分程。
「ん?」
 後ろに人の気配がした。私が止まれば止まって、少し急げばついてくる。所謂ストーカー。
 走ったら気づいたことにバレる。どうしよう、、、。ここは人通りが少ない。夕方だから買い出しに行ってる人もいるだろう。絶体絶命のピンチってやつだ。振り返ってみると、
「ひっ!」
 カメラを構えフードを深く被った男が電柱の影に隠れていた。
 私は恐怖でその場から駆け出した。
 しかし、相手は男性。すぐに追いつかれてしまった。
「ねぇ、なんで逃げるの?僕達は運命共同体じゃないか!」
 腕を掴まれた。逃げられない。どれだけもがいても暴れる子犬を捕まえる程度のことだろう。
 逃げられない。半分諦めかけていた。その時だった。
「ちょっと!何してるんですか」
 あ、あの子。同じクラスの相模 麗(さがみ れい)。
 それと、その後ろには警察官がいた。
 ストーカーは警察官に捕まって、刑務所にいった。
「大丈夫?」
「う、うん。ありがと」
「怖い思いをしたよね。もっと早く行っとけばよかったね」
「ううん、助けてくれてありがとう。れいちゃんが来なかったらどうなってたことか」
「ゆいかちゃんはすごく可愛いんだから気をつけないとね」
「えっ!私のこと知ってるの?」
「知ってるも何も、有名人だし、同じクラスだし」