「はっ…はじめ…まして…っ。わたし…は…っ。」





大勢の人の視線を感じ緊張する。







自己紹介は嫌い。






上手く言葉が出ないから…。





早く…終われ…。











「もっとハキハキとっ!」





教室のど真ん中に座って居る男の子は私にピースした。



「ってゆ〜か、ドッカァ〜ンって感じ?」




今度は廊下側に座っている女の子がニコニコ笑っている。





「そうそう、凛々しくドッカァ〜ンって!」


「ファイトォー!」


「ドッカァ〜ン!!!!」




二人はキャハキャハ笑い合う。




変わった…




お二人…











「そこの二人、静かにしなさい。


 今は自己紹介中なんだから。」




私の隣で先生が呆れた口調で言う。




すると、窓側の奥に座っていた背の高い男の子が急に立ち上がり、先生を睨んだ。



「雰囲気を盛り上げているだけです。


 自己紹介は、しーんとしている中で緊張しますが、



 この二人のように歓迎してもらうと嬉しいじゃないですか?」






背の高い男の子が鋭い目つきで先生を睨み、




先生を何も言えなくさせた。






凄い…。