俺は恋なんかしたこともなかった。



どういうものかも知らなかった。



苦戦して


たった少しのことにも敏感に反応して


喜んだり


悲しんだり



時には人を憎んだり…。



そんな一喜一憂する人々が愚かに見え



俺はこんなこと


自分が自分じゃないような気がして嫌だった―。