なんでって聞かれたってわかるハズない。
だって適当に謝っただけだから。
どうにかなるかと思って謝っただけだから。
イチかバチかで謝っただけだから。

でも爽やかな顔が、爽やかな視線を向けて、爽やかに私の返答を待っている。

えーと……… どうしよ…。
と、とにかくここは……


「な、なんで……?」


オウム返しにしてみた。


『うん、なんでゴメンなさい?』


余計的確に質問された……。


う、うわぁぁぁぁぁ~~~んっっ!!

もう逃れられないんだ!!
謝ったって無駄なんだ!!
そうだ、この人はこうやって爽やかにかわしてるんだ、私の謝罪をかわして聞かなかったことにしてるに違いない!!

だったら……… だったら…


「ゴ、ゴメンなさい!!ゴメンなさい!!
本当にゴメンなさい!!
私が悪かったです!!
もう全然全く全面的に私が悪かったんです!!

だから…

だから………


殺さないでぇぇぇぇぇ~~~っっ!!」


私の悲痛な叫びが、細い裏道にこだました。