尊いタイコアをずっと側で見守っていたい田中ですが何か?!

桜の木の下にいる彼らを観察するために、気付かれないよう音を立てないように近づきます。

幸い、私、田中優奈は存在感がございません。
よく「いつからそこにいたの?」とびっくりされる毎日です。

校舎の影に隠れることができました。
御二方の会話が聞き取れる距離でございます。

「さっきの風で、桜の花びらがついてる」

心地のよい低い声でした。
日に焼けた背の高い男性の方でしょう。

「じゃあ、このまま出席しようっと。桜に祝福された鹿嶋琥亜ですって、みんなに知ってもらわなきゃね」

透き通るような声です。色白の天使のような男性の方の声に違いありません。

「その祝福、俺にも分けて」
「いいよ、好きなの取って……って、ちょっと、大雅!なんで全部取っちゃうの!!」
「こんな可愛い姿、誰にも見せたくない」
「え? そんな理由?」
大きな声で天使のような方が笑っています。
その声に低い声の方の笑い声が重なりました。
笑い声のセッションでございます。

なんて尊いのでしょう。
これがお付き合いされている方々の会話なのでしょうか?
身体全身が喜びで震え、なんともいえない清々しい気持ちになりました。
こんなのは初めてでした。
(優奈、これからは御二方を心より全力応援いたします)
そう、心に誓いました。