君がいない夏を、もう一度壊す。



───目が覚める。

いつものスマホから流れる目覚まし時計のアラームを止めるため、寝ぼけ眼でスマホを操作した。


「夢…だったのか、?」


夢ならば、柚希がいなくなった時から全部夢であって欲しい。

今日は何日だ。


言いながら、壁にかけた花の写真が映えるカレンダーを見た。


「6、月?」


嘘だ。

今日は8月のはずだろう?

6月30日。

スマホのカレンダーも、6月30日。

全部全部、6月30日。


布団をはがしてばっと飛び上がると、隣の布団がもっこりと膨らんでいることに気づいた。


「…ん、もう朝?

おはよう、凌くん」


そこには、柚希の姿があった。


朝特有のふんわりと笑う、柚希の笑顔があった。