「そ、んな…嘘だ、」
手が震える。
屈んでイヤホンの片っ方を取る。
…落ちたのは、柚希?
それは、わざと?
「…兄ちゃん、さっき落っこちた女の子の知り合いかい?」と、誰かが声をかけた。
「…はい、柚希の彼氏です」
「…あの子、何かに導かれるようにして落ちていったよ。
イヤホン抑えて、耳に違和感を持ってるような感じだった」
…柚希は、狙われている?
導かれるように…。
何に?
誰に?
考えたら、僕まで倒れそうなくらいだった。
わからない。柚希が。
知りたい、柚希を。
その夜、僕はもう何度目かわからなくなってきたワープをまた経験した。



