洗練されたアラーム音で目が覚める。
この景色は、僕が夢だとわかった時の…
「え?」
居る。
柚希が。
隣に。
カレンダーを見れば、2025年の6月30日。
スマホのデジタル時計が差しているのは、6:00ぴったり。
「ループ、してる、…?」
信じられない現実に、ようやく違和感を覚える。
何かのドッキリでもない。
拓海はそんな悪ふざけをするような人でもないし、…第一、さっきのほのかの電話は嘘だとは思えないほど憔悴しきった声色だった。
ループ。
「タイムリープ」で思い当たるのは、あの怪しげな装置しかない。
拓海が連れてってくれた、妙に嘘くさい「未来展」の展示の一角にあったあれ。
…僕は、どうすればこのループを脱出できるのだろうか。
何かヒントが隠されていないか、まず最初に見たのはスマホの連絡アプリ、次に検索サイトで調べて。
「タイムリープ 装置 戻り方」
と検索窓に打てば、何やらブログのようなものにヒットした。
「繝翫ヤ繝。遐皮ゥカ謇? のタイムリープ装置について」
ライターは「ののふだ」。普段は小説執筆をしているそうだが、「ののふだ」を検索してもどのケータイ小説にも書籍化作品にもヒットしなかった。
…文字化け、ヒットしない“ののふだ”という小説家兼ライター、そしてブログ作成日が「未来展」開催日と同じ日付。
その不気味で異様なブログに、好奇心とどうにかして柚希と生きたいという想いから、僕は読み進めていった。



