みんなは『おもしろくない。つまらない』とでも言うような顔をした。

「せっかく王子様の近くに行けたんだよ!?
匂いとか嗅がないともったいないじゃん!」

「なんかそれは違くない!?」

なんて笑っていると、体育館からビーっと試合終了のタイマーの音がした。

この時間はバスケ部の練習の時間だ。

「そういえば、うちのバスケ部ってイケメン多いよね。王子様もそうだし」

教室の窓枠からは体育館の出入り口が見える。ゾロゾロとバスケ部の部員が出て来た。
確かにみんな整った顔立ちだ。

あの人達を音楽番組のステージに連れて来て、『新人アイドルです!』と言っても疑われないくらい。

すると、凪も出て来た。足元は心なしかフラフラ。汗だくで疲れているようだ。