クラスメイトはひどく怯えた様子で説明してくれた。

「が、学校1の不良に……『学園の王子様』がぶつかって……不良の方はめちゃくちゃ不機嫌で………今にも喧嘩になりそうで…!!」

あ、学園の王子様というのはクラスメイトの
縁宮 凪のことだ。

顔面がずば抜けて良く、物静かで儚げな雰囲気を纏い、なんでもこなせる完璧主義者。
学園の王子様というあだ名はそこからきている。

「やばくね?」「凪くんの顔に傷がついちゃう…!」
と、生徒達は囁き合っている。

で、当事者の2人はというと、隣のクラスの不良が声を荒げて喚き散らかしていた。

「お前何ぶつかって来てんだよ!!!
邪魔なんだよ!!俺の道を塞ぐとか、頭イカれてんのか?
さっきからずっと黙りやがって。みんなからちやほやされて何もできないガキみてぇになっちまったか?
あぁ!?なんとか言えよ!!!」