それから数日後、僕は以前に借りたノートを返しに、香織の家へ向かった。もうすでに日も暮れて、周りは暗くなっていた。見上げると月が出ている。真上に近い場所から月は光を発していた。
「いや。すまないね~。急に使うことになってね」
香織はすまないと言っていたが、それなら明日でもいいんじゃ……って思った。本当に急に必要だったのかな。
帰り道、図書館の前を通ると、窓から明かりが見えた。今日は残業?なのかな。本棚の整理でもしているのだろうか。
そう思いながら、窓を見ながら道を歩いていると、図書館の隅から人影が見えた。
「あっ」
そう言うと、人影はすっと消えてしまった。
あの人影。一瞬、顔が見えたような気がする。そうだ、図書館によく来る女の子。高坂さんだ。
なぜこんなところにいるのだろう。しかも、こんな夜遅くに。
考え込んでいると、さきほど高坂さんがいたところに、何か落ちていることに気がついた。それは小さなメモ帳のようなものだった。
僕は悪いとは思ったが、中を確認してみた。
『心得 ここでも月の重力に影響。無重力可。だが体力の消耗。周りを月の重力と同じに』
うん。まったく意味が分からない。高坂さんの物かは分からないけど、今度会った時に返しておこう。もし、高坂さんの物じゃなかったら、どうしようかな。まあ、それは後で考えよう。
明日も学校だし、家に帰って早く寝よう。僕は速足で家へ向かった。
翌日の放課後。
僕は昨日の夜、図書館の近くで高坂さんに会ったことが気になって、図書館へ向かうことにした。
「待ってよ~」
香織が後ろから付いてくる。
「今日も図書館だよ」
「わかっているわよ」
というわけで、また香織と一緒に図書館へ行くことになった。
図書館へ着くと、人が集まっていた。
「どうしたんですか?」
僕は周りの人に聞いてみた。すると、どうやら図書館が荒らされていて、本が散乱しているらしい。
あのうわさは本当だったのか。
中へ入ると多少、本が少し散乱しているぐらいで、大方、館内は片付いていた。
「なんか天井に汚れや傷が付いているな」
館内にいる人がそんなことを言っていた。確かによく天井を見ると、汚れや傷がある。
この事件と高坂さんとは関係があるのだろうか。
しかし、それ以降、高坂さんとは会えなかった。
「いや。すまないね~。急に使うことになってね」
香織はすまないと言っていたが、それなら明日でもいいんじゃ……って思った。本当に急に必要だったのかな。
帰り道、図書館の前を通ると、窓から明かりが見えた。今日は残業?なのかな。本棚の整理でもしているのだろうか。
そう思いながら、窓を見ながら道を歩いていると、図書館の隅から人影が見えた。
「あっ」
そう言うと、人影はすっと消えてしまった。
あの人影。一瞬、顔が見えたような気がする。そうだ、図書館によく来る女の子。高坂さんだ。
なぜこんなところにいるのだろう。しかも、こんな夜遅くに。
考え込んでいると、さきほど高坂さんがいたところに、何か落ちていることに気がついた。それは小さなメモ帳のようなものだった。
僕は悪いとは思ったが、中を確認してみた。
『心得 ここでも月の重力に影響。無重力可。だが体力の消耗。周りを月の重力と同じに』
うん。まったく意味が分からない。高坂さんの物かは分からないけど、今度会った時に返しておこう。もし、高坂さんの物じゃなかったら、どうしようかな。まあ、それは後で考えよう。
明日も学校だし、家に帰って早く寝よう。僕は速足で家へ向かった。
翌日の放課後。
僕は昨日の夜、図書館の近くで高坂さんに会ったことが気になって、図書館へ向かうことにした。
「待ってよ~」
香織が後ろから付いてくる。
「今日も図書館だよ」
「わかっているわよ」
というわけで、また香織と一緒に図書館へ行くことになった。
図書館へ着くと、人が集まっていた。
「どうしたんですか?」
僕は周りの人に聞いてみた。すると、どうやら図書館が荒らされていて、本が散乱しているらしい。
あのうわさは本当だったのか。
中へ入ると多少、本が少し散乱しているぐらいで、大方、館内は片付いていた。
「なんか天井に汚れや傷が付いているな」
館内にいる人がそんなことを言っていた。確かによく天井を見ると、汚れや傷がある。
この事件と高坂さんとは関係があるのだろうか。
しかし、それ以降、高坂さんとは会えなかった。



