御影の王

俺と乙女が移動した先は校舎の屋上だった。

今日も風は冷たい。

春まだ遠し。

しかしお陰で屋上に他の生徒の姿はなく、込み入った話をするのにはちょうどよかった。

「で…話とは何だ、乙女。わざわざ上級生の教室にまで来るのだ。重要な用件なのだろう?」

乙女のほうに向き直り、俺は話を促す。

「うむ…」

一瞬言いよどむ乙女。

だが意を決したように。

「単刀直入に言う」

風にツインテールの髪をなびかせながら、彼女は俺を真っ直ぐに見据えた。

「紅、貴方も『御影の王』が目的でこの街に転校してきたのか?」