御影の王

既に三十分は続いている攻防。

体力的にはまだまだ十分に余裕があるが、長引かせては教師に見つかる恐れもある。

…竹刀を構え、私は紅を見据える。

癇に障るという当初の感想は変わらない。

だが私は、彼の力量に感服もしていた。

素人でありながら私の剣術にここまで肉薄するとは。

彼の才能は天性のものと言わざるを得ない。

「それなりには楽しめた。礼を言う」

私の言葉に。

「それは決着がついてから言うのだな」

紅が、槍のように箒の穂先を向ける。

「…違いない」

一瞬だけ笑みを浮かべた後、私は竹刀に意識を集中させた。

これで最後の一撃だろう。

「早乙女乙女、参る!」

私は鋭い踏み込みから、渾身の一撃を打ち放った!