合奏が終わった時、部室には静かな静寂残った。

みんなが楽器を置きながら、前を見つめる。

初めての先生、初めての指揮、ぎこちなさがあっったけど、音は出せたし、重なっていた。

「みんな、ありがとう初めての合奏だけど、いい音がしていてよかったよ」

花恋先生がそう言ってくれて、拍手が起こった。

その言葉に部員たちは、少し照れくさそうな感じながらも、表情が柔らかくなってきた。

緊張して固まっていた空気がほどけていくようだった。

私も、ユーフォニアムのベルを見つめながら胸の奥が甚割と温かくなっていくのを感じた。

自分の音を聞いてもらうっていいな。

そんな気持ちが、ほんの少し芽生えた。


「ちょっとこれからの話をします。」

「先生は、みんなのことを基本的に呼び捨てにします。そして、名前を覚えるのが苦手なので、積極的に話してくれると嬉しいです。」

その言葉に小さな微笑みの空気が流れた。

花恋先生の口調は、丁寧だけど、どこか飾っていなくて、親しみやすかった。

厳しめの先生かと思ったけれど、言い方がすごく優しくて安心した。

「あと、平日もなるべく見に行くようにします。遠慮なくどんどんふいてね」

私は思わず背筋を伸ばした。

これで、わたっしたちの学校も少しは強くなれるかな、、。