キス魔なカレシ。

 私は、立ち上がり家に帰ろうとした時だった。

 肩をグッと掴まれた。

 振り向くと、郁弥くんが焦った表情をしていた。

 「可憐ちゃん、待って!!」

 必死な声。

 こんな、郁弥くん見たことがない。

 「可憐ちゃん。泣いてたの?」

 郁弥くんの手が優しく私の目元を撫でる。

 「ごめんね。僕のせいだよね」
 「ち、違うよ。私が勝手に泣いただけだから」
 「さっきのは、誤解なんだよ」

 誤解?でも、キスしてたじゃない。

 そう言いたいけど、私に言う資格なんてない。