キス魔なカレシ。

 結局、その後郁弥くんに会う事はないまま夏休みを終えた。

 何度も連絡が来たけど、全て無視してしまった。

 罪悪感で、胸が痛い。

 私は、教室の扉の前で立ち止まっていた。

 郁弥くんに、会ったらなんて言おう…。

 きっと、怒ってるよね。

 ちゃんと、謝ろう。

 意を決して、教室の扉を開けて中に入る。

 すると、窓際に郁弥くんが立っていた。

 「ーーっ」

 声を出したいのに、出せない。

 「可憐ちゃん、おはよう」
 「お、おはよう」

 あれ…?

 郁弥くんのいつも通りの態度に驚く。

 もっと、怒っていると思ったのに。

 「どうかした?」
 「な、何でもないよ」

 何だか、拍子抜けだ。