キス魔なカレシ。

 その後、私は郁弥くんを置いて走って家に逃げるように帰ってきてさしまった。

 『逃げるよう』じゃない。『逃げた』んだ。

 私が思ったより、早く帰って来たことにお母さんは、驚いていたけど、私の顔を見て何かあったと思ったらしくて、何も聞いてこなかった。そんな、お母さんには頭が上がらない。

 部屋に行くと、浴衣を乱暴に脱ぎベッドにダイブする。

 「郁弥くん…」

 頭の中は、置いてきてしまった郁弥くんの事で頭がいっぱいだ。

 「ーーっ」

 勝手に涙が溢れてくる。

 今度、会った時に郁弥くんになんて声をければ良いか分からないよ…。