キス魔なカレシ。

 あっという間に、楽しく時間が過ぎていく。

 あんなに、眩しかった太陽がなりを潜めて暗くなる。

 「もう、遅いし帰ろうぜ」

 俊也くんの言葉で解散する事になった。

 凛のことは、俊也くんが。

 私のことは、郁弥くんが送ってくれる事になった。

 シーンと静かな道を郁弥くんと二人きりで、歩く。

 沈黙が、続くけど決して嫌な雰囲気ではなく、穏やかな雰囲気のまま、私の家に着く。

 「送ってくれて、ありがとう。じゃ、またね」

 郁弥くんに、背を向けて家の中に入ろうとした時「待って」と声を掛けらる。

 そして、掴まれて強制的に郁弥くんの方に体が向く。

 「忘れ物…ん」

 ちゅう。

 静かな外に、リップ音が響く、

 「ぅん…。急にキスしないでよ」
 「だって、今日はまだ、してなかったでしょ?」

 確かに、そうだけど…。

 こんな所を、家族にでも見つかったら大変だ。

 「それじゃ、またね」

 キスをして、満足したのか私の頭を優しいく撫でると、背を向けて行ってしまった。