キス魔なカレシ。

 海に入ったり、ビーチバレーをしたりして私たちは、海を満喫していた。

 「ねぇ、そろそろ休憩しない?」

 郁弥くんが、腕時計を見て言う。

 「もう、昼だし海の家で何か買ってくるよ」
 「おぉ〜。流石は委員長だな。気が利く」
 「それなら、私も一緒に行くよ」

 郁弥くんひとりで、行かせてしまうのは申し訳ないし。

 「うん。なら、ふたりで行こっか」

 そう言って、海の家まで一緒に歩く。

 すると、郁弥くんが私の手を握ってきた。

 これって、恋人繋ぎ!?

 いきなり何で!!

 流石に、動揺してしまう。

 「やっと、二人きりになれたね」
 「え!?」
 「ふふっ。顔真っ赤だね…ねぇ、傍から見たら僕たち恋人に見えてるのかな?」
 「そ、そんなの分かんないよっ!

 顔が、赤いのは日焼けをしたせいでドキドキした訳じゃない!絶対そうだ!

 「あ、海の家に着いたね」
 「う、うん」

 郁弥くんは、恋人繋ぎをしたまま焼きそばやたこ焼きなどを注文する。

 「お兄さんたちは、恋人かい?オマケしておくね!」
 「ふふっ。そう、見せますか?」
 「見えるぜ。何だ、違うのか?」
 「さぁ?どうでしょうか…。ねぇ、可憐ちゃん?」

 私に聞かないでって、叫びたい。

 だけど、我慢して「あははっ」と笑って誤魔化す。