キス魔なカレシ。

 郁弥くんは、足が速くて一番にお題の紙を拾う。

 そして、何故だか私の方に走ってくる。

 えっ!?どうして、私の方に来るの!?

 目の前に来ると、立ち止まって「可憐ちゃん!リップクリーム貸して!」と言ってきた。

 どうやら、お題はリップクリームらしい。

 私は、慌てながらも短パンのポッケからリップクリームを取り出して渡す。

 すると、「ありがとう!」と言って一目散に走って行ってしまう。

 その背中に私は「頑張って!」と声援を送る。

 私の声、聞こえたかな…。

 そして、郁弥くんは、一番でゴールする。