キス魔なカレシ。

 「郁弥くん。どうして居るの?」
 「近くで、サボってたら可憐ちゃんが更衣室に入るのが見えたから、可憐ちゃんの事待ってたんだ。」
 「そうなんだ」

 てか、サボるのは良くないと思うな…。

 「待ってて良かった。可憐ちゃんのメイド服姿が見てたから」

 そこで、ハッとする。

 そうだ。今、メイドの格好してるんだった…!

 私は、恥ずかしいのあまり顔を腕で隠す。

 「やっ…!見ないで」
 「無理だよ。こんなに、可愛いのに『見ないで』なんて。ほら、よく見せて?」

 私の言葉なんてお構い無しに、私の事を見る。

 「可憐ちゃんが、可愛い格好してるからキスしたくなっちゃった」
 「えっ!?」
 「可憐ちゃんが、悪いんだよ」

 郁弥くんは、そう言うと私の頬にキスをした。

 「あれ?」

 唇じゃ無いんだ…。

 「もしかして、唇にして欲しかった?ふふっ。唇は、まだお預けだよ?仮装リレー頑張ってね」