キス魔なカレシ。

 今日は運動会当日。

 皆の歓声が学校中に響き渡る。

 私たちのクラスは白組。

 「そろそろ、仮装リレーが始まるから着替えて来るね」
 「分かった〜。頑張ってね」

 私は、着替える為に女子更衣室へと歩く。

 それにしても、郁弥くんの姿がどこにも見当たらない。

 どこに居るんだろ…?

 更衣室へと着き、中に入って着替える。

 袋から取り出した衣装はメイド服だ。

 無難で、定番中の定番だ。

 「よいしょっと…。うわぁ、やっぱり恥ずかしいな」

 ロングメイド服だから、丈は長くて露出はあまり無いけど恥ずかしい事に変わりない。

 「そろそろ、戻らないと」

 私は、校庭に戻る為に更衣室の扉を開ける。

 その時。

 「やぁ、メイド服の格好似合ってるよ。可愛いね」
 「郁弥くん!?」

 扉を開けると、郁弥くんが立っていた。